こんにちは、ためです
今回は宅建の登録実務講習の受講記録です!
宅建登録実務講習は、宅地建物の取引に関する実務経験2年未満の方が、資格登録要件を満たすために必要な講習です。
ただ、講習を行っている業者は複数あるものの、ほぼ100%の人がどこか1つの業者で受講するのみなので、いざ受講しようとするとどこで受講するか迷うものです。
私は今回TACを選択しました
TACを選択した理由・TACで受講した感想をお伝えします!
- 宅建の本試験に合格した人
- 宅建の本試験合格がほぼ確実で、実務講習先を探している人
- 宅建の実務講習の修了試験の難易度が知りたい人
<プロフィール>
- 2021年に不動産業に近いとある上場会社の経理部に転職、不動産取引の知識習得を目指して、宅建に挑戦
- 独学、勉強時間132時間で一発合格。
- 宅建の本試験の点数は41点
- 登録実務講習の修了試験は満点で合格
なぜTACにしたか?
自宅から一番近いのがTACだったからです。
バカみたいな理由ですが、宅建の実務講習は遅刻が絶対NGです。
私の場合、行く前に子供を保育園送る必要があり、出ることがぎりぎりになることがわかっていたので、とにかく近いことが最優先事項になりました。
私は近さを最優先にしましたが、人によって受講先を選ぶポイントは違うと思いますので、ここから選ぶポイントの詳細を考えていきたいと思います。
実務講習の受講先を選ぶときのポイント
実務講習の受講先をどこにするかについての決め手は以下の3つかと思います
それぞれについて私が調べた限りの情報をまとめます。
受講料
TAKKYOが一番安く、他はほぼ同額ですので、安価で済ませたいのであればTAKKYO一択かと思います。
スクーリングの日程
基本は2日間連続という日程が多いようです。
また、土日、火水、水木という曜日の並びが多い印象です。
土日は当然として、不動産業は水曜日休みが多いので、それに合わせて水曜日を重ねる形でのスケジューリングが多いのかなと思います。
校舎までのアクセス
私は校舎までのアクセスを一番重要視しました。
宅建の実務講習はスクーリングによる授業時間が12時間と明確に定められているようで、遅刻した瞬間に一発アウトです。
スクーリングの授業時間は各学校で融通することはできないことから、電車遅延等の合理的な理由であってもおそらくアウトです。
私が受講したときは電車遅延が発生したにも関わらず、遅刻者ゼロだったため、実際の対応を見たわけではないですが・・・
そのため、とにかく遅刻をしないことを最優先に考えて、校舎が一番近いTACにしました。
受講先を選ぶときのポイントまとめ
- 受講料を考えるのであればTAKKYO一択
- 日程については2日連続が多い
- 校舎は近いほうが遅刻のリスクを抑えられるのでおすすめ
では、ここからは私が実際に受講したTACの講習についてお話していきます。
なお、本記事は2022年1月時点の情報ですので、最新の情報と異なる可能性があります。
実際に受講される方は必ずTACのHPのチェック、問い合わせをしてください
申し込み
先に言うと、TACは申込方法だけ言えばいまいちです。
不便なところは全部で3つです。
案内がギリギリまで公開されない
TACのHPで申込方法が公表されたのは宅建本試験の合格発表の前日でした。
私は自己採点が41点でほぼ合格と思っていたので、案内がなかなか出ないのは正直やきもきしてました。
ネット申し込みができない
TACの場合、申込方法は2つです
- 校舎に直接行く
- 郵送
ネット申し込みができない点は、コロナ禍ということもあり不便に感じました。
LEC、TAKKYO、日建学院等の有名どころは全てネット申し込みができますので、ネット申し込みでなければ嫌だという人はTACは除外した方が無難かと思います。
また、申込みのための書類は資料請求をするしかありませんでした。
TACのHPから直接申込書類のDLはできず、これも正直面倒でした。
申込時に合格証必須
申込時に宅建の合格証のコピーが申込時に必須なので、合格証を受け取らないと申し込みが不可能です。
TAC以外でも合格証のコピーの提出は必要ですが、後日でもOKというところが多かったので合格証のコピーがないと申し込み不可という点も不便でした。
また、コロナ禍だからなのかわかりませんが、1回の講義につき定員は20名とかなり少数です。
そのため早く申し込まないと定員オーバーになってしまい、受けたい日程で受けられないことになることからも、合格証が後日ではダメという点は不便に感じました。
私は合格発表日翌日の12月2日に合格証を受け取り、翌日3日のお昼にTACに直接行って申込みをしたのですが、3日の夕方には申し込んだ日程はすでに定員になっていました。
おそらく郵送だと希望日程で受講できなかったと思うので、個人的には感染対策をしっかりしたうえで、校舎に直接行くことをおすすめします。
テキスト
事前に配布されるテキストは4つです。
- 不動産の実務の基本テキスト
- 確認テスト
- スクーリング演習テキスト
- スクーリング演習資料
また、テキストではないですが事前の資料として3つ送付されます。
- 登録実務講習受講ガイド
- 登録実務講習受講上の注意
- TAC利用ガイド
さらにスクーリング初日にスクーリング演習ノートが配布され、合計5冊のテキストが手元に残ります。
簡単に中身を解説します
不動産の実務の基本テキスト
このテキストは後ほど記載する事前学習のWeb講義で使用するもので、スクーリングでは使いません。
ページ数は194ページで
第1編:宅地建物取引業務/個人情報保護法/消費者契約法
第2編:不動産業務の流れ
第3編:税金の知識
の全3編で構成されています。
第1編の宅地建物取引業務は本試験の知識がほとんどで、個人情報保護法や消費者契約法が追加された感じです。
第2編は受付業務という不動産業者に来たお客さんからのヒアリングすべき内容や物件の調査、価格査定、現地案内、資金計画と実務的な内容が主です。
第3編は名前の通り税金ですが、事前学習でもスクーリングでも全く見ませんでした。
個人的には第2編が実際の業務に近い内容があったので一番読んでいて面白かったです。
また、テキスト内にちょこちょこ指のマークが出てきます。
重要なポイントを示すわかりやすいマークですが、修了試験はこの指マークから出題されます。
修了試験のときに持ち込みができるテキストのひとつなので、スクーリングでは持参必須です。
確認テスト
後ほど記載する事前学習のWeb講義が全3回のため、Web講義に合わせて第1回30問、第2回30問、第3回40問の合計100問となっています。
修了試験の内容は「次の記述のうち正しいものには○、誤っているものには☓をつけなさい」という正誤判定です。
問題は不動産の実務の基本テキストにあった指マークから抜粋した内容が出題されています。
この確認テストは修了試験時に持ち込み不可です。
まぁ、ほとんどここに載っている問題が出ていたので、当然といえば当然ですが、、、
スクーリング演習テキスト
スクーリングで主に使うテキストです。
中古の戸建てと区分所有建物(要はアパート)のそれぞれの売買事例を物件調査、売買契約書作成、重説の作成、契約の締結から引き渡しまでを一連で説明しているテキストです。
取引自体はもちろん架空のものですが、物件の所在地、売却希望価額、登記の状況、抵当権の設定、用途地域等々、おそらく実務上必須となる項目を全て網羅してますので、実務経験ゼロの人間が不動産業の実務を理解する上ではなかなか良いテキストだと思います!
スクーリング演習テキストも修了試験で持ち込みが可能なテキストです。
スクーリング演習資料
こちらもスクーリングで使うテキストですが、スクーリング演習テキストの補完資料です。
スクーリング演習テキストの架空取引の登記簿やお役所に保管されている公図等を載せています。
スクーリング演習資料は修了試験で持ち込みはできません。
スクーリング演習ノート
スクーリング初日に配布され、スクーリングで使います。
こちらは修了試験の練習問題という位置づけです。
後述しますが、修了試験は重説や37条書面の穴埋め問題が出てきます。
このスクーリング演習ノートにも穴埋め問題が載っているので、スクーリング演習テキストを見ながら、実際に穴埋めを行っていき、修了試験に備える演習資料になっています。
事前学習
講義時間と視聴方法
事前学習はWeb講義で約2時間30分×3回分です。
当然再生速度の変更は可能です。私は1.6倍で聞いていたので約2時間ほどで聞き終わりました。
Web講義のため、TACのWeb SCHOOLからログインして受講することになります。
ブラウザでも聞けますし、アプリを使えばスマフォにダウンロードも可能です。
私はPCからブラウザで聞いたので、アプリの使い心地はわかりませんが。。。
講義の内容
内容は不動産の実務の基本テキストの内容の講義になっています。
宅建の本試験ですでに勉強した内容をベースにより実務の話を深堀りするような授業になっています。
特に公簿等による調査や現地調査等、宅建の本試験ではあまり触れませんが、実務上は重要になってくるようなところは聴き応えがありました。
スクーリングの最後に行う修了試験の前半30問はこの授業の内容から出題されます。
ただ、最終的な修了試験の合格を目指すだけであれば、事前学習は受講しなくても大丈夫だと思います。
今後宅建士として仕事をしていこうとする方は実務に直結する内容も多かったので受講必須です。
私は宅建士として実際の業務に携わる予定は今のところないのですが、せっかく高いお金払っているので、受講しないのはもったいないと思い全て観ました。
終了後の確認テスト
また、講義終了後に確認修了試験を実施するような案内が出ます。
確認修了試験は一問一答の正誤判定を行う修了試験で、宅建の本試験と大きく変わることはないです。
例題
現地調査に関する次の記述のうち、正しいものには○、誤っているものには☓をつけなさい
・現地調査では近隣住民への聞き取り調査は不要である
答え:☓ 近隣住民への聞き取り調査は必要である
問題は筆者が独自に作成
正しいか誤っているかを答えるシンプルな問題で、事前講義をちゃんと聞けばそこまで難しくないです。
私は事前に全100問を3周しましたが、1周目で9割、2周目と3周目では全問正解でした。
また問題文も宅建の本試験のようにひねった問題もないので、100問一気にやっても30分もかかりませんでした。
スクーリング
メインイベントとなるスクーリングについてここから解説していきます
スケジュール
私は2022年1月15日(土)、16日(日)の2日間受講しました。
時間は1日目と2日目で微妙に違っていて、
- 1日目:9時30分~17時40分
- 2日目:9時30分~15時30分
15時45分~16時:修了試験の説明
16時~17時:修了試験
1時間ごとに10分間の休憩をはさみます。必ず○時30分~40分までを休憩時間にしていたので、もしかしたら休憩時間も指定されているのかもしれません。
お昼休憩は2日間とも12時30分~13時30分でした。
また講義は全部で5コマに分かれています。
- 1日目:09時30分~12時30分
- 1日目:13時30分~16時30分
- 1日目:16時40分~17時40分
- 2日目:09時30分~12時30分
- 2日目:13時30分~15時30分
各コマが始まるごとに会員証にはんこを押してもらいました。
ちょっと見づらいですが左の方にあるハンコが出席の確認印となっています。
持ち物
TACから案内されたのは全部で8つ
- 会員証
- スクーリング演習テキスト
- スクーリング演習資料
- 不動産の実務の基本テキスト
- 確認テスト
- 登録実務講習ガイド
- 筆記用具
- スクーリング演習ノート
筆記用具は修了試験がマークシートなので鉛筆・シャーペン・消しゴムが必須です。あとは付箋があると便利です。
案内されたもの以外では、飲み物と時期や人によっては防寒具があれば良いと思います。
私が行った校舎は空調も効いてましたし、適度な換気もしてあったので快適でした。
講義の内容
講師の方は60代前後の男性の方で、ご本人がおっしゃるには20代から不動産業でずっと生きてきた方とのことでした。
当日の講義はスクーリング演習テキストとスクーリング演習資料の内容を中心に進み、ひたすら聞いているだけのいわゆる授業と、途中で修了試験に向けた問題演習をスクーリング演習ノートを使って行います。
他の学校ではグループワークがあるところもあると聞きますが、少なくとも私が受けたときはグループワークは一切なく、完全な授業形式でした。
講義の内容もたまに講師の方の実体験や雑学みたいな話が入りますが、基本はテキストの内容を説明していく感じです。
個人的にはもう少し講師の方の実体験等を聞きたかったのですが、おそらくテキストの内容をしっかりやらないとイケないので、あまり脱線する余裕がなかったのかなという印象でした。
受講中の居眠り等については、机に突っ伏して寝ている等の明らかに寝ているような状況でなければ、特段注意等はされていませんでした。
私の斜め前に座っていた人は何度か船漕いでましたが、特に何も言われてませんでした。
修了試験
修了試験は正誤判定のマークシート30問、記述式30問の合計60問です。
両方とも8割、すなわち24問以上正解で合格です。
合計が8割の48点を超えても、例えばマークシートの正解が23問以下であれば不合格です。
また以下3つのテキストの持ち込みが可能です。
- 不動産の実務の基本テキスト
- スクーリング演習テキスト
- スクーリング演習ノート
試験時間は16時から17時の1時間、開始後30分~50分までは途中退出可能です。
終了10分前になると途中退出不可でした。
私が受けたときは1人だけ途中退出していましたが、他は私も含めて全員残っていました。
私は20分程度で解答自体は終わったのですが、その後テキストを見ながら見直しを行いました。
テキストを見ながらの見直しが意外と時間かかってしまい、結果として終了したのが10分前ぐらいでした。
マークシート
宅建の本試験と同じく正しいか誤っているかを判定するのですが、文章1つ1つの正誤を判定するのみです。
例題
現地調査に関する次の記述のうち、正しいものには○、誤っているものには☓をつけなさい
・現地調査では近隣住民への聞き取り調査は不要である
答え:☓ 近隣住民への聞き取り調査は必要である
問題は筆者が独自に作成
マークシートの問題は不動産の実務の基本テキストは重要なところに指のマークが付いていることはテキストの紹介の際に書きましたが、そこからランダムに30問出題されます、
ただ、スクーリング中に30問全て、講師の人がどこが出るのか全部教えてくれます。
さらに受講生全員に付箋を配布してくれるサービスもあり、教えてもらったところにひたすら付箋を貼ってました。
スクーリング1日目の午後一で全て教えてくれたので、1日目の夜に教えてもらった30箇所だけ見ておけば修了試験はほぼ問題ないと思います。
内容も宅建本試験のときの知識で、8割近くは回答可能ですので、修了試験のための勉強よりは宅建の本試験を思い出しをするイメージでした。
記述式
こちらは、架空の不動産取引から、実際に重説や37条書面を書くという試験になります。
問題文には買い手・売り手の氏名や住所、買い手と売り手の仲介業者、売買対象の不動産の情報や登記簿等が10ページ近くに渡って記載されています。
重説や37条書面は一部の欄が空欄になっていて、その空欄を埋めることになります。
記載すべき内容は全て問題文や登記簿に載っているので、該当の情報がどこに記載されているかを把握すれば難しくないです。
正直転記するだけなので。。。
ただ、登記簿については慣れていないと見方に苦戦するかもなとは思いました。
私は仕事で登記簿を何度も観た経験があったので、苦労しませんでしたが大学生(っぽい)方は登記簿の見方がわからず、休憩時間中何度か講師の方に質問に行っていました。
当日講師が何度も繰り返し言っていたのがの2つでした。
- 数値には必ずカンマを入れる(カンマがないと数値が合っていても不正解)
- 例えば「○○」地区という問題で○○を答える場合、答えが「高度」になるところ、うっかり「高度地区」と「地区」を書いてしまわないようにする(当然不正解)
おそらくこの間違えは頻出するんだろうなぁというぐらい何度も繰り返していました。
修了試験後
修了試験が終われば、スクーリング自体はそのまま解散です。
私のときは修了試験の結果は1月24日(月)に郵送と説明があり、実際に1月25日(火)に通知が自宅に届いたので、修了証をもらうまでは約1週間です。
普通郵便で来るので、在宅していないと受け取れないこともありません。
結果のお知らせで点数と合否が、合格すれば実務講習の修了証がもらえます。
修了証とその他の資料を揃えれば、無事宅建士としての登録ができるわけです。
実務講習が終わればいよいよ登録です。
登録手続きについてはぜひこちらの記事もご覧ください!
まとめ:TACの宅建実務講習の総括
- テキストは全体的に充実していて、スクーリング終了後も十分に使える内容
- スクーリングの講義は授業形式。テキストの説明が主
- 修了試験はスクーリングの授業をしっかり聞いていればまず落ちることはない
- 申し込み方法はネットがNG等、少々不便なところが目立つ
TACのおすすめポイントはやはりテキストのクオリティです。
私も今のところ宅建士として仕事をする予定はありませんが、もし宅建士として仕事をすることになったら、まず今回のテキストを読み返すと思います。
今回の記事が実務講習先を選ぶ際に少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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