日商簿記2級に受からない・・・。もう諦めようかな・・・
ちょっと待った!
今回は日商簿記2級が受からない理由とその対策を説明します。
- 日商簿記2級に受からない理由がわかる
- 日商簿記2級に受かるために今からできる対策がわかる
<プロフィール>
- 高校卒業後に公認会計士試験を目指して受験に専念
- 当時最年少で公認会計士試験に一発合格
- 公認会計士試験の会計学をトップで合格
- 日商簿記1級、2級、3回は1回ずつ落ちている
本記事を書いている私は日商簿記1級~3級まですべて1回の不合格を経験してから合格しています
- 日商簿記2級を諦めようか迷っている人
- 日商簿記2級に何度も不合格になっている人
日商簿記2級に受からない2つの理由
- 勉強時間が足りない
- 勉強方法が間違っている
日商簿記2級に受からない理由はこの2つだけです。
日商簿記2級は合格率が30%未満ですので、決して簡単な試験ではありません。
しかし特別な技術、才能、経験が必要な試験ではないので誰でも合格は可能です。
誰でも合格が可能であるにも関わらず、なかなか受からない人は勉強が足りないか、勉強の方法が間違っているかのいずれかです。
順番に解説していきます。
勉強時間が足りない
日商簿記2級に必要な勉強時間数は300時間~500時間です。
そのため、勉強時間が300時間に満たない人は勉強時間が足りないと考えていいでしょう。
私がはじめて日商簿記2級を受験し、不合格だったときの勉強時間は200時間ぐらいだったと思います。
勉強方法が間違っている
勉強時間が300時間~500時間には達しているにも関わらず、点数が伸びない人や不合格が続いている人は勉強方法が間違っています。
私は商業高校時代から、公認会計士になるまで簿記を勉強している人をいっぱい見てきましたが、簿記が苦手という人に共通するNGポイントは要約すると4つです。
- 仕訳を疎かにしている
- 問題演習数が足りない
- 暗記はいらないと思っている
- ルールを深く考えすぎ
仕訳を疎かにしている
簿記は仕訳こそが基礎であり応用でありすべてです!
そのため日商簿記3級、2級の第1問にある仕訳の問題が苦手な人は不合格になる可能性が高いです。
私も3級と2級をはじめて受験したときは仕訳問題が一番苦手なままにしてしまい、不合格でした・・・。
実は簿記って会計基準はいっぱいありますし、工業簿記では面倒な計算を行いますが、やってることは仕訳を切って仕訳を集計しているだけです。
これは公認会計士試験であっても同じです。
例えば工業簿記では勘定連絡図を書きますが、勘定連絡図も仕訳をわかりやすく図にしただけです。
問題演習数が足りない
持っている問題集を最低3回は解きましょう!
簿記は何度も何度も何度も何度も問題を解いてはじめてマスターできる分野です。
そのため、問題演習の回数が1回の人はもちろん、2回だけの人は不合格になる可能性が高いです。
また、簿記の問題を素早く解くためには問題演習の数をこなす以外の方法はありません。
問題演習の回数が少ない人は試験時間が足りない・問題を解くのに試験時間ギリギリまでかかってしまい、見直しができないという不合格者にありがちなパターンに陥ります。
私も3級と2級をはじめて受験したときは問題演習は1回のみですませてしまい、不合格でした・・・。
暗記はいらないと思っている
暗記(覚える)せずして、日商簿記に合格することは不可能です!
勘定科目や会計処理、工業簿記の原価差異の計算方法等は覚えなければ問題を解くことはできません。
「理解すれば暗記なんてしなくてもOK」という人がたまにいますが、そもそも「覚えたからこそ理解ができる」のが簿記です。
私も最初は「暗記なんてしなくてもいいや」と思ってましたが、結果は不合格・・・。
ルールを深く考えすぎ
会計処理や会計基準のルールは「そういうものなんだー」とある程度割り切ることも重要です!
例えば「200%定率法ってなんで200%なんだろう?」とか「なぜ左が借方で右が貸方なんだろう」と悩んでる人がいるんですが、単純なルールについて深く考えることは時間の無駄です。
どうしても深く知りたい人は、日商簿記1級や公認会計士・税理士の勉強をすれば会計処理の根幹までしっかり勉強しますので、日商簿記2級を通過点と割り切って、1級・公認会計士・税理士まで目指すことをおすすめします。
日商簿記2級に受かるためにやるべきこと
- 勉強時間を増やす
- 勉強方法を見直す
日商簿記2級が受からない理由は【勉強時間が足りない】【勉強方法が間違っている】の2つなので、対策はシンプルです。
具体的に私がおすすめする方法を紹介します。
勉強時間を増やす
- 勉強時間を記録する
- 勉強時間を確保する
- スキマ時間を活用する
日商簿記は仕事(学生の方であれば学業)・家事・育児の合間に勉強している方が多いと思います。
それでも勉強の量は絶対に必要なので、勉強時間を増やすためにおすすめの方法を3つ紹介します。
勉強時間を記録する
勉強時間を増やすために一番おすすめの方法は勉強時間の見える化です。
徐々に蓄積されていく時間を見るとRPGの経験値のように見えてきてテンションがあがってきます。
また本試験を受ける前に【これだけやったんだから絶対に受かる】という自信の裏付けにもなります。
勉強時間の記録はアプリの利用がおすすめです。
勉強時間を確保する
- 早起きして勉強する
- 寝る前に勉強する
私もこの記事を書いている現在、5歳と2歳の子どもがいて夫婦共働きですので勉強時間の確保に苦労しています。
そのため、私が勉強時間を確保するために行っているのは【早起き】【移動中に勉強】【夜更かし】の3つです。
早起きと夜更かしは両方やると睡眠不足になるので、その日の体調や仕事の終わった時間によって使い分けています。
平日は夜更かし、土日は早起きが基本スタンスです。
特に簿記は問題演習が必須のため、どうしてもまとまった時間が必要になってきます。
日中に勉強時間が取れない人は朝か夜のどちらかに勉強を頑張る必要があります。
スキマ時間を活用する
スキマ時間では仕訳演習がおすすめです!
なかなかスキマ時間で「連結精算表の問題でも解くかー」とはできないと思いますが、仕訳であれば1問1問にかける時間は長くて数分です。
【簿記は仕訳こそが基礎であり応用でありすべて】と書きました通り、仕訳ができるようになれば簿記は理解が深まりますし、素早く仕訳を書けるようになれば問題演習時も素早く問題が解けるようになります。
勉強方法を見直す
おすすめしたい勉強方法をまとめました。
- 仕訳演習を増やす
- 問題演習数を増やす
- 暗記→問題演習→理解の順番で勉強する
- テキスト以上のルールを深掘りしない
順番に解説していきます。
仕訳演習を増やす
繰り返し言いますが、
簿記は仕訳こそが基礎であり応用でありすべてです!
仕訳が苦手な人は確実に仕訳を切れるようになることが合格への第一歩です。
仕訳はやればやるだけ実力が付きますので、何度も何度も繰り返し仕訳を見る・自分で仕訳を切ることが重要です。
仕訳の問題だけではなく、精算表を作る問題から仕訳を切るだけの勉強方法もおすすめです。
また仕訳演習はアプリの利用もスキマ時間を有効活用できると思います。
仕訳を覚える裏技やコツはありません。とにかく量をこなすのみです!
問題演習を増やす
お持ちの問題集を最低3回は解くことが必要です。
簿記に限らず、私が問題集を3回解くときのやり方を解説します。
読んだテキストの内容が本当にわかっているかの確認として実施。
間違ったところやわからなかったところはテキストを読んで復習。
1回だけだと忘れていることがほとんどなので、思い出し作業として実施。
間違えたところや忘れていたところはテキストで復習。
2回目の問題演習で思い出した内容を忘れないようにするために実施。
あまり期間を空けすぎるとまた忘れるので1週間以内が目安。ただし翌日だと記憶が新しすぎるので、大体3,4日後がベスト。
間違えたところや忘れていたところはテキストで復習。
私は3回がノルマで、3回で足りないと思ったら5回でも10回でも同じことを繰り返します。
暗記→問題演習→理解の順番で勉強する
私がおすすめする勉強の順番は
- 暗記
- 問題演習
- 理解
です。
初めて勉強する分野はテキストを読んだだけで理解できる人はほとんどいないと思います。
そのため、最初は「そういうものなんだー」と割り切って覚えてしまう方が早いです。
【覚える】はテキストの内容ではなく、会計処理を覚えることが重要です。
例えば有価証券であれば
- 売買目的有価証券→時価で評価、評価差額は営業外損益
- 満期保有目的債権→取得価額で評価、発行価額の取得価額の差額は金利の調整であれば償却原価法で処理して営業外損益
- 関係会社株式→取得価額で評価
- その他有価証券→時価で評価、評価差額は純資産に計上
といった感じです。
また、仕訳の形で覚えてしまう方法もおすすめです!
会計処理を覚えたうえで、問題演習を行うとなんとなくですがやっていること、やりたいことがわかってきます。
まずは【どういう会計処理を行うのか?】という結論を覚えることが重要です。
そのうえで、改めてテキストを読み返すと【だからこういう会計処理を行うのか!】と見えてくるようになります。
例えば売買目的有価証券であれば
- 時価の変動によって利益を得ようとしている
- 時価評価する→時価が有価証券の価値を最も適切に表しているから
- 評価差額は営業外損益→いつでも売れるもので評価差額はほぼ実現しているから
という流れが見えてきます。
もちろん【なぜこういう会計処理を行うのか?】から入っても良いのですが、会計処理を覚えてから【なぜ?】と考えたほうが絶対に理解が早いです。
テキスト以上のルールを深掘りしない
日商簿記2級の合格のために目の前にあるテキストを信じましょう!
テキストに載っていないさらに深い会計処理の原則や細かい会計処理は覚えても日商簿記2級の合格にはなんの役にも立ちません。
日商簿記2級の合格を目指すほとんどの人にとって合格は通過点です。
日商簿記2級の資格を使って、就職・転職・昇進等々が真の目的のはずです。
真の目的のためにある程度割り切って勉強することは、勉強をするうえでは非常に重要です。
どうしても知りたい場合は日商簿記2級合格後に、日商簿記1級の受験や決算書を読めるような勉強をおすすめします。
日商簿記1級の紹介や決算書を読めるような勉強については下記記事でそれぞれ解説していますのでぜひご覧ください。
日商簿記2級に合格するためにスクールに通ったほうがいいのか?
こんな人はスクールがおすすめです。
- 自分で勉強計画を立てるのが苦手
- いつでも質問できる環境がほしい
日商簿記2級の講座は決して安くありません。
最近ではyoutubeに無料の動画もあり、テキストの質もかなり高いので独学による合格も不可能ではありません。
それでもスクールに通うことをおすすめする人について順番に解説します。
自分で勉強計画を立てるのが苦手
日商簿記2級はCBT受験でいつでも受験が可能です。
そのため、いつ受験するか自分で決める必要があります。
日商簿記2級の勉強時間が300時間とすれば、1日3時間の勉強を毎日行っても100日=3ヶ月強は必要になります。
3ヶ月以上の勉強計画を立てることは、簡単ではありません。
スクールに通えば、授業の時間割や答練の時間割もある程度指定されるため、スクールの授業や答練のスケジュールに従って勉強するだけなので計画を立てることが簡単になります。
なので、通信制ではなく実際にスクールに通うほうがおすすめです
いつでも質問できる環境がほしい
独学の最大のデメリットは、わからないことについて気軽に質問できる相手がいないことです。
その点スクールであれば、講師の方に質問すれば良いだけです。
スクールによって質問への体制は違ったりするので、スクールの違いについてはぜひ資料を請求して調べてみてください。
日商簿記2級に合格するためのおすすめのテキストは?
有名どころであれば、どのテキストを使っても合格は可能です。
個人的におすすめしているのは以下3つです。
- みんなが欲しかった簿記の教科書シリーズ
- パブロフシリーズ
- よくわかる簿記シリーズ
どのテキストを使うかはデザインの好みや読んでみて一番わかりやすいと思ったやつを選べばOKです。
私はテキストを買う場合は必ず本屋で立ち読みしてから買います。
まとめ:日商簿記2級に受からないのは時間が足りないか、勉強方法が間違っているだけ
- 日商簿記2級を諦めない!
- 勉強時間が不足しているのであれば勉強量を増やす
- 勉強時間が足りているのであれば勉強方法を見直す
日商簿記2級はどんどん難しくなっていく試験であり、諦めたくなる気持ちもわかります。
ただ、難しいということは合格したときの喜びや合格後の価値が高いことに他なりません。
めげずに最後までチャレンジしてください!
それでは今日はここまで。最後まで読んでいただきありがとうございました!
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