高卒で公認会計士 合格可能性は? 監査法人への就職は? 高卒の会計士が実体験談とともに解説!

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こんにちは、ためです。

ブログの説明書きにも書いていますが、私は高卒で公認会計士になっております!
正確な統計はないですが、高卒の公認会計士は大卒の方に比べて圧倒的に少数派です。

ぺんぎん

あれ?
高卒の人は公認会計士試験受けられるの?
公認会計士試験には受かるの?
監査法人に就職できるの?

ため

今回はそんな疑問にお答えします!

ため

また、今回は高卒の方向けに書いていますが、監査法人の年収事情等は公認会計士を目指しているすべての人に参考になるかと思います!

この記事はこんな人におすすめ
  • 高卒で公認会計士を目指すか迷っている方
  • 高卒で公認会計士を目指している方
  • 公認会計士を目指している方で、監査法人での年収等の情報が知りたい方
この記事を書いた人
【背景】デフォルト
ため

<プロフィール>

  • 高校卒業後に公認会計士試験を目指して受験に専念
  • 当時最年少で公認会計士試験に一発合格
  • 公認会計士合格後、某大手監査法人に入所。
  • 某大手監査法人に13年間勤務。監査法人での最終職位はマネジャー

なお、本記事では特記事項がない限り【大卒】とは「大学卒業済み」「大学在学中」「大学院卒」「大学院生」を含みます。
【高卒】は「高校卒業」「専門学校卒業」「その他大卒に該当しない方」を指します。専門学校卒業については微妙なラインですが、本記事では便宜上高卒に含めることにします。

目次

高卒の方こそ公認会計士はおすすめ!

高卒の方こそ公認会計士を目指すことを強くおすすめしています!

私は、もともと大学受験に失敗し、経済的理由から浪人等もできなかったため親に土下座して【1回だけ】という約束で公認会計士試験にチャンレジ、合格しています。

あのときの土下座と自分の頑張りがあったからこそ、今は楽しい人生を送っています!

私が公認会計士になってよかったと思うその理由をまずは収入面と社会的地位の2つの観点から紹介します。

収入面からおすすめ

厚労省が集計している賃金構造基本統計調査によれば、大卒と高卒では100万円近くの年収格差があります。

令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況 学歴別
出典:令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況 学歴別
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

詳細は後述しますが、公認会計士の年収は監査法人であれば最低でも500万円からスタートです。

その後のキャリアにもよりますが、人によっては年収1,000万円も夢ではありません
私も30代前半の段階で1,000万円オーバーは達成しています!

社会的地位からおすすめ

公認会計士は弁護士・医者・税理士等の他の資格に比べると一般的知名度は低く、ドラマにもほとんどならない資格だったりするのですが、その社会的地位はかなり高いです。

具体的な実体験として、私が家を買ったときの話をします。

家を買うときは銀行でローンを組むのが通常ですが、その際に銀行の審査があります。

この審査は単純に「銀行が貸してもよいか?」というだけでなく「いくらまで貸せるか?」「利率をいくらにするか?」という点も審査されます。
当然、社会的な信用力がある人ほど「高額を借りられ」「利率が安くなる」わけです。

私は公認会計士であること説明したところ、それだけで銀行さんから(ノンオフィシャルではありましたが)「MAX1億円までは絶対に審査が通る」と言われました。
また利率については、当時ネットで調べていた利率よりはるかに安い利率を提示されました。

もちろん当時は大手監査法人に勤めていて安定したという点も大きいと思いますが、そもそも公認会計士にならなければ監査法人にも勤められないので、当時は公認会計士になって良かったと改めて思いました。

この話は大卒・高卒関係ないですが、公認会計士は人生の変わる資格であることは間違いないです!

ため

それではここから、高卒の方向けに公認会計士試験を受けられるのか? 試験に合格できるのか? 等を詳しく説明していきます。

受験資格は不要

公認会計士試験は受験資格が一切ありません

Q2.公認会計士試験に受験資格の制限はありますか?

A.受験資格の制限はありません。年齢、学歴、国籍等にかかわらず、どなたでも受験することができます。

公認会計士・監査審査会 公認会計士試験に関するQ&Aより引用
太字は私が加工しています

そのため、高卒の方(なんなら高校を卒業していなくて)も受験可能という魅力的な資格です。

また、公認会計士の試験内容は財務会計論・管理会計論・監査論・企業法・租税法・選択科目の6科目ですが、これらの科目は大学受験の試験科目である英語や数学などとほとんど重ならない分野であり、スタートラインが全員一緒という点も高卒の方にもおすすめできる大きな理由のひとつです。

大学が経営学部・高校が商業高校のため、簿記などの事前知識がある人は多少のアドバンテージを持っていますが、誤差の範囲です。

事実、私は商業高校出身ですが、簿記の勉強は実質ゼロからやり直しました。

ため

余談ですが、高校時代簿記の成績は悪かったです。。。

なお公認会計士と比較されがちな税理士ですが、税理士は受験資格が必要です。
詳しく知りたい方は→税理士受験資格の概要

合格する可能性はある?

ぺんぎん

高卒でも公認会計士試験受かるの?

ため

受かります!
最初に書きましたが、この記事を書いている私は高卒ですが、公認会計士試験に合格しています!

ただ厳しい現実として、大卒の方に比べて高卒の方が合格率が低い傾向があります。
こちらのグラフをご覧ください。

高卒の方が合格率が低い傾向
出典:公認会計士・監査審査会 公認会計士試験ページ。毎年の合格者調より独自に集計
全体合格率は論文式試験合格者÷願書提出者で算出
高卒合格率は【学歴別合格者調】の「高校卒業」と「その他」の論文式試験合格者÷願書提出者で算出
大卒合格者は 【学歴別合格者調】の「高校卒業」と「その他」以外の論文式試験合格者÷願書提出者で算出
合格率の数値はこちらから
年度全体合格率高卒合格率大卒合格率
2012年7.45.47.6
2013年8.86.09.2
2014年10.06.810.5
2015年10.28.110.5
2016年10.86.911.3
2017年11.17.111.6
2018年11.18.611.4
2019年10.67.311.1
2020年10.16.510.6
2021年9.65.210.2
具体的な人数はこちらから
年度受験者全体高卒受験者大卒受験者合格者全体高卒合格者大卒合格者
2012年17,6091,94415,6651,3011051,196
2013年13,0161,49011,5261,149891,060
2014年10,7121,2119,5011,07682994
2015年10,0501,1398,9111,03092938
2016年10,1391,1578,9821,098801,018
2017年10,9391,2719,6681,215901,125
2018年11,6661,40010,2661,2941211,173
2019年12,5321,50311,0291,3311091,222
2020年13,2311,66011,5711,3351081,227
2021年14,1921,72312,4691,360901,270

公認会計士試験の過去10年間の合格率はおおよそ8%~11%程度で推移しています。
しかし大卒以外の方の合格率は5%~9%程度と、全体合格率に比べると低い合格率になっております。
これに対して大卒の方の合格率は8%~10%程度と全体合格率とさほど変わらない合格率です。

高卒の方が合格率が低くなってしまうのは、私見になってしまいますが「受験慣れ」が要因だと考えています。

基本的に大卒の方は大学受験を乗り越えている方々です。
公認会計士試験の内容は大学受験とほとんど重ならないことはすでに述べましたが、単純に「受験勉強」という点では、大卒の方のほうが経験値が上です。
そのため、「勉強への慣れ」や「勉強の仕方」という点でどうしても大卒の方のほうが合格率が高くなってしまっているのではないかと思われます。

でもよくよく考えてみてください。
合格【率】はたしかに低いですが、ゼロの年は一度もありません

毎年100人は高卒の方が合格しています!

女子アナの方々なんて、毎年2-3人しか合格しませんからね。女子アナの方々の100倍は合格しやすいわけです! そう考えればちょっとやれそうな気がしませんか?

また、勉強時間も大卒の方に比べて大幅に増えることもありません。
勉強時間については、別の記事で私の実際の勉強時間を紹介していますのでぜひご覧ください。

監査法人への就職は可能?

公認会計士試験の合格後、監査法人に就職する方が大半です。
せっかく公認会計士試験に合格しても就職できなければなんの意味もないですよね。

ぺんぎん

高卒でも監査法人に就職できるの?

ため

就職できます!

ぺんぎん

仮に就職できても、年齢制限があったり、年収に差があったり、出世にも影響あるんでしょ?

ため

ほとんど影響ないです! 具体的に説明します!

そもそも就職できる?

できます!

断言できる理由がいくつかあります。

  • 監査法人が欲しい人材は「試験合格者」のみだから
  • 監査法人が人手不足だから

監査法人が欲しい人材は試験合格者のみだから

監査法人が一番欲しい人材は公認会計士試験に受かった人です。

そもそも公認会計士試験に合格した時点で、求めている知識があることは十分に証明されていますので、学歴フィルターをかけるメリットは皆無です。

2009年~2013年は公認会計士試験に合格しても監査法人に就職できない人がでてきしまい、wikipediaに載ってしまうほどの大問題になりましたが、2014年以降は人手不足が続いており、この状況は続くのではないかと個人的には思っています。

監査法人が人手不足だから

監査法人は2022年現在、圧倒的に人手不足です。

こちらの資料をご覧ください。

公認会計士は年々増加しているのですが、監査法人の所属
出典:「会計監査の在り方に関する懇談会(令和3事務年度)」(第1回)議事次第 資料3 事務局資料(金融庁)
https://www.fsa.go.jp/singi/kaikeikansanoarikata/siryou/20210915.html
https://www.fsa.go.jp/singi/kaikeikansanoarikata/siryou/20210915/03.pdf

公認会計士は年々増加しているのですが、監査法人の所属者は徐々に減ってきています。

大手監査法人はその年の公認会計士試験に合格した人が毎年200人~300人入所するのですが、それでも徐々に減ってきているということは、大手の監査法人に所属している人たちは毎年300人以上辞めているということになります。

監査を行う公認会計士が減っていますが、監査すべき会社や監査上実施すべき作業は減らない(むしろ増えてる)ので、当然人手不足になっているわけです。。。

なお、人手不足と書くと過度な残業を懸念されるかもしれませんが、監査法人は2018年頃に働き方改革が断行され、残業についてはかなり厳しくなっていることから過度な残業はほとんどありません

噂の域を超えませんが、労基に入られてかなり怒られたとか・・・
(注)当時法人内にいた人間のなかで流行った、あくまで噂です。

少なくとも私がいた某大手監査法人は、平日は21時~7時、休日は1日中PCが強制ロックされたので物理的に過度な残業やサービス残業が難しいシステムが出来上がっていました

年齢制限はある?

全く無いです!

これは上述したとおり、監査法人の人手不足と密接に関係してきますが、学歴と同じく年齢によるフィルターをかけるほど監査法人に人手の余裕がないのが実情です。

また毎年20代後半や30代の人も一定数入ってきますので、そのことについて特に気にされることもなければ入所の面接の時にそれで弾かれたりすることはないです。
40代は正直あまり聞いたことないですが、これは面接で弾かれているというわけではなく、そもそも絶対的な受験者数や合格者数が少ないだけです。

なお、入所後も誰も気にしてないです。
監査法人は通常合格年次がイコール入所時期になるので、年下の上司・先輩、年上の部下・後輩というのが珍しくないので、それが当たり前になっています。

年収はいくらぐらい?

一般的な会社だと高卒と大卒で年収(給与水準)が違うことがありますが、監査法人は学歴によって給与水準が違うことは一切ありません

毎年の人事考課によって賞与や昇給割合が変わるため、人によって異なりますが私が勤めていた某大手監査法人は以下のイメージでした。

年次職位年収
1~3年目スタッフ500万円~600万円
4~8年目シニア700万円~900万円
9年目~マネジャー800万円~1,200万円
パートナーについては人によってかなり変わるのと、私も確かな情報がないので記載していません。

スタッフ・シニアは残業代によって年収が変動することが多々あります。私も何度か「あれ去年より少ない・・・」ということがありました。

マネジャーになると管理職になるため、残業代が出なくなります。代わりに賞与の比重が大きくなり、人事考課によって年収の変動幅が激しくなります。
シニアが最大900万円程度に対して、マネジャーの最低が800万円程度と逆転現象が起きているのは、残業代がでなくなったことに加え、マネジャー1年目はどうしてもマネジャーとしての人事評価が低くなりがちで、結果として賞与が低くなることが要因です。

ため

マネジャーは賞与の影響が本当に大きく、私の賞与のMAXは年間300万円オーバーでした。
このときに初めて年収が1,000万円を超えました。

出世に学歴は影響ある?

これも全く無いです。

私は監査法人時代に昇格に関する人事考課会議に何度も出席しましたが、学歴が評価の基準になったことはありません

というか、一緒に仕事している人や仲の良い同期・先輩・後輩含めて各人の学歴なんて9割近く知らないですし、聞かれることもないです。

高卒で公認会計士になるメリット・デメリット

高卒の方が公認会計士になると人生が変わることは最初に書きました。

ここの項目では、あくまで高卒の公認会計士が大卒の公認会計士と比較した場合のメリット・デメリットを記載します。

メリット

色々考えてみたのですが、ないです

最初に書いたとおり、公認会計士になった瞬間に「公認会計士の●●さん」になるので、学歴に関する情報が全く意味をなさなくなります

強いて言えば、私のように「高卒の公認会計士が・・・」というパワーワード(?)でブログを書けるようになることぐらいでしょうか😉

デメリット

色々考えてみたのですが、こちらもないです!

メリットでも記載したとおり、公認会計士になった瞬間に学歴はほとんど意味なくなります

あえて上げるとしたら、有名大学の方々はOB・OGの結束が強く、高卒の公認会計士はOB・OGの縁というのが期待できないことでしょうか。
ただ、公認会計士の世界は白い巨塔のように大学内の熾烈な出世競争とかもないのであまり気にすることもないかなと思います。

参考までに、有名大学の同窓会的な組織として慶応大学の三田会早稲田大学の稲門会等があります。
それぞれの会がどのような活動をしてるのかまではわかりませんが、、、

まとめ

この記事のまとめ
  • 人生が変わるので高卒の方にこそ公認会計士はおすすめ!
  • 公認会計士試験は受験資格がないため高卒の方でも受験可能
  • ただ高卒のほうが合格率は低い傾向にある
  • 監査法人への就職は学歴による影響は全くなし
  • 高卒であることのメリットやデメリットもなし

公認会計士は高卒の方が学歴というハンデを乗り越えて、人生を変えることができるとても魅力的な資格です。

もちろん、合格するまでに信じられない努力が必要ですし、必ずしも受かるとは限りませんが、それでもチャレンジする価値のある資格だと思います!

とはいえ、公認会計士試験は超難関資格ですので、残念ながら合格できなかった場合に備えて、日商簿記の検定を受けておくこともおすすめします。
詳細は↓の記事をご覧ください

ため

このブログでは引き続き高卒の方に限らず、大卒・大学生の方も含めて公認会計士を目指す人を全力で応援します!

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